Nobu's blog "nobulog"

写真家 小林伸幸 による日々の徒然ブログ
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こだわりの領域 和紙をより知る為の丁稚奉公 その1
僕はプラチナプリント作品を仕上げる際、支持体に和紙を使うのですが、この組み合わせは面白い結果を生み出す反面、かなり面倒な問題も同時にはらむのです。しかも数々の。。。
その1つに、塵があります。
チリは変色した繊維だったり、樹皮の取り残しだったり、単純にゴミだったりする訳だけれど、これらが和紙を漉く際のネックとなるのです。
もちろん、敢えてそれらを混在させて「味」とする場合もありますが、こと写真を印画する用途で考えると、、、邪魔になる事の方が多かったりするのです。

でも少し前までは僕自身の考え方はちょっと違っていて、それこそが和紙であり、チリがある事はごく自然な事だと思っていたのですね。
けれど最近は、、、なるべく取り除きたいと思うようになりました。
何故かと言うと、かなり重要なハイライト部分にあからさまに目立つチリが残っていると、結構な勢いでがっかりするからです。。。
当然、印画紙で考えればこんな事はあり得ない訳ですから。
ただ、「それも含めての和紙作品なんだ」と、認めてしまえば楽なのだけれど、なかなかそうもいかないのです、面倒な事に。

で、職人さんに和紙を漉いて頂く際に、なるべくチリは取り除いて下さい、とお願いするののですが、この作業が結構な手間で、嫌がる方が多いのです。
でも、そのご苦労と大変さは容易に想像がつきますから、お願いする方もなかなか強く言えなかったりするのです。
とはいえ、極力チリの無い紙が必要な訳で。。。

ジレンマなのです。

ではどうするか。

自分も一緒にやるからお願いします!

という事になるのです。
というか、そうしないと申し訳が立たないし、自分自身でも実感が持てない。

で、一緒にやらせて頂きました。
まずは、蒸して剥いだ楮の樹皮から、表面の荒皮をこそげ取る作業。
前日に雪が降ったその場所での、冷たく濡れた物を扱う作業は流石に辛い。。。
しかも寒風吹きすさぶ中。
でも、投げ出す訳にも当然いかない。
けれど30分もやると、もう身体の芯まで冷えきって指先ガチガチ。
それでも真水に浸して、剥いで洗ってを繰り返す。。。

根気と忍耐、それに情熱が必要だと改めて思いましたね。

やはり、そうそう気安く人にお願い出来る作業ではないなと。

で思う事は、究極的には、やはり自分で全部やる、という事になるのでしょうね、これは。
こういう地味な作業を地道にやって、自分で漉いて、とにかく納得のいく紙を作る。
そうして初めてプリント作業に移行出来るのかなと。。。

こだわりも、ここまで来ると既にバカの域ですが、、、仕方ない。
そういう性格なんです。

でも、それにはまずは和紙職人を目指さなきゃいけない訳で、そこには何年もの時間と修練が必要な訳で、とんでもない構想な訳ですけれど、、、でも、究極はやはりここなんでしょうね。。。

なんて、こんな発言はそれこそ職人さんをバカにしているようで、なめるなとお叱りを受けそうですけど、そういう単純な意味ではないので、どうか諸々ご容赦頂けますと幸いです。

例えなめていたとしてもバカでも何でも、上質な和紙を追い求めたいですから。
そうやって追い求めて初めて、納得のいく美しいプリントが出来る訳ですから。
もちろん、それには写真そのものにチカラが無きゃなんにもならないのですけれど、全てが質の高い部分で融合した時、それはやはり究極的な作品に昇華するのだと思うのですよね。
例え自己満足の域を超えないとしても、全てが高次元で結びついたその時には、きっと観る者の琴線に触れると思うんですよね。

と、そうであって欲しいなという願いを込めつつ。。。
| 和紙関連 | 13:45 | comments(0) | - |
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